開拓社 言語・文化選書95
エンパシー制約にみられる言語変化と語用論
― 日本語古典から現代英語まで ―
編著者:
千葉修司 (著)
ISBNコード:
978-4-7589-2595-2
発売日:
2022年8月18日
定価:
2,310円(税込)(四六・208頁) |
内容
現代英語では、動詞meetに関する語用論的制約(エンパシー制約)のため、I met a stranger on the street の語順を変えて A stranger met me on the street のようには普通言えないが、古い日本語ではそのような語順の「会ふ」の用法が可能であった。本書は、英語のmeetにおいても同じような歴史的変遷の跡が見られることを、現代英語以前のデータを基に解き明かす斬新な語用論研究である。
目次
第1章 日本語の場合
1.1.『伊勢物語』
1.2. 柳田(1992, 2011)の研究
第2章 現代英語の場合
2.1. Kuno and Kaburaki(1977)の エンパシー研究
2.2. 久野・高見(2017)第2 章「相互動詞の特異性」より
第3章 中英語(ME),近代英語(ModE)の場合
3.1. 中英語
3.2. 近代英語
3.3. 19世紀以降の例の中から
3.4. 辞書の中での説明
3.5. インド英語などの用法
3.6. エンパシー制約違反とならない場合
3.7. 残された問題
3.8. 言語獲得との関わりから見たエンパシー制約
第4章 受け身形と完了形としてのbe met
4.1. 受身形の場合
4.2. 完了形の場合