開拓社 言語・文化選書17
認知言語学への誘い
― 意味と文法の世界 ―
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編著者:
李 在鎬 (著)
ISBNコード:
978-4-7589-2517-4
発売日:
2010年3月8日
定価:
1,760円(税込)(四六・180頁) |
内容
あらゆる言語表現には私たちの世界への見方が反映されているが、その全体像を一貫した立場で明らかにしている言語理論は認知言語学が登場するまで存在しなかった。本書では、認知言語学が言語の問題と認知の問題をどのように結びつけ、どこまでの言語事実を明らかにしてきたのかを具体的に示している。言語に対する深いレベルの理解を目指す一般読者や大学生、語学教育者にお薦めしたい。
目次
まえがき
第1章 認知言語学とは
1.1. 視点と言語研究
1.2. 認知言語学の位置づけ
1.3. 認知言語学的視点
1.3.1. 言葉は認知を反映する
1.3.2. 言葉は意味と形式の慣習的対応である
1.3.3. 言葉の意味を重視する
1.3.4. 言葉は経験のパターンを抽象化したものである
1.3.5. 言葉の使用は言語の構造を形作る
第2章 視点と言葉の意味
2.1. 意味へのアプローチ
2.1.1. 言語と外部世界の関係から意味を捉える
2.1.2. 言語の内部要素同士の関係から意味を捉える
2.1.3. 話し手の概念化過程から意味を捉える
2.2. 認知能力から見た意味
2.3. 認知的見方からの意味分析
2.3.1. カテゴリー化(範疇化)
2.3.2. 図と地の解釈
2.3.3. トラジェクター(軌道体)とランドマーク(基準点)
2.4. 視点の反映としての日常言語
2.4.1. 助数詞研究の意義
2.4.2. 具体的な用法から
2.4.3. 視点と助数詞
第3章 カテゴリー化と日常言語
3.1. カテゴリーの謎
3.2. カテゴリー化と認知能力
3.3. カテゴリーをめぐる論争
3.4. 認知言語学におけるカテゴリー化モデル
3.4.1. プロトタイプの決定
3.4.2. 不明瞭な境界、連続性
3.4.3. スキーマと拡張
3.5. カテゴリー化と言語現象
3.5.1. 意味拡張
3.5.2. 多義性
第4章 イメージと言語表現
4.1. イメージ・スキーマ(認知図式)
4.2. 言語分析に向けて
4.3. イメージ・スキーマの有効性
4.4. メタ言語としてのイメージ・スキーマ
第5章 言葉とレトリック
5.1. 比喩の日常性
5.2. 比喩と言語研究
5.3. 認知言語学における比喩研究
5.4. 比喩へのアプローチ
5.4.1. メタファー(隠喩)
5.4.2. メトニミー(換喩)
5.4.3. シネクドキ(提喩)
5.5. 比喩の制約
第6章 用法基盤としての認知言語学
6.1. 場面重視の言語研究
6.2. 用法基盤モデルの誕生とその特徴
6.2.1. 理論的背景
6.2.2. 言語表現と慣習化
6.2.3. ネットワークとしての文法
6.3. 用法基盤モデルと言語習得
第7章 文法現象へのアプローチ
7.1. 伝統的な文法研究
7.2. 認知言語学における文法研究
7.3. 意味と構文の仕組み
7.3.1. 動的事態
7.3.2. 静的事態
7.3.3. 知覚的事態
7.3.4. 複合的事態
7.3.5. 参与者とその意味役割
7.4. 構文パターンと意味
7.5. 語彙と構文の関係
第8章 最後に:これからの認知言語学
文献案内
参考文献
索引