開拓社 言語・文化選書3
世界に通用しない英語
― あなたの教室英語、大丈夫? ―
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編著者:
八木克正 (著)
ISBNコード:
978-4-7589-2503-7
発売日:
2007年10月25日
定価:
1,760円(税込)(四六・208頁) |
内容
日本の英語教育の中身が何かおかしいと思うあなた。どこがどうおかしいか、そのようなおかしな英語教育の中身がどこからきたのか、お教えします。ひとりよがりの解説をする受験参考書。今の英語と無縁な文法規則を教える文法解説。19世紀以前の英語を堂々と記載する学習英和辞典。英語らしくない英文を使って受験者を試す英語教員採用試験問題。100年前からの呪縛と、ひとりよがりな英語。日本の英語教育の病根はここにあります。
目次
はしがき
第1章 英語教育の内容を再検討する
はじめに
1 学習文法とは何か
2 文法教育は必要ないか
3 ネイティブ・スピーカー信奉について
4 正しい英語とは何か
文法にかなった表現/慣用にのっとった成句表現/まとまりのある表現/状況や場面にかなった表現/コミュニケーション・ストラテジー/いま使われているか/PC表現
5 ことばは変化する
まとめ―学校で教える英語はどうあるべきか
第2章 学習文法の形成
はじめに
1 英語との接触と英和辞典の誕生
2 日本の英和辞典の歴史
(1) 1861年以前「原初的単語集期」/(2) 1862-1910年の「翻訳期」/(3) 1911-1926年の「日本人のための英語辞典期」/(4) 1927-1966年の「共同編纂期・第一次学習辞典期」/(5) 1967年から現在に至る「第二次学習辞典期」
3 イギリスの規範文法
4 斎藤英文法
5 科学的伝統文法―規範からの脱出
市河三喜/大塚高信/実証的な英語研究から理論研究志向へ/語法的研究の集大成
6 「対話」による英文法
まとめ―学習文法の形成史
第3章 学習文法の何が問題なのか
はじめに
1 The sun rises in the east.のinは「から」?
2 deserve doingのdoingは受け身の意味?
3 borrowと「借りる」
4 continue (+to be)+形容詞で「続ける」?
5 enjoy oneself doingは合体表現で不可
6 Never fail to do ... は使えないか?
7 than Iはthan meより正しいか?
8 stop to doのto doは目的語か?
9 関係代名詞whoとwhom
10 関係代名詞thatが義務になる場合?
11 ten years senior to meは古い
12 付加疑問の作り方
13 命令文の受動態?
14 go on a hike/go for a hikeよりはgo hiking
15 *I believe him to come tomorrow.
16 「人」を指すwhich
17 「人」を指すwhatとwhich
18 learn to do: 「学ぶ」と「できるようになる」
learn to doの意味/二つの意味の区別の方法
19 How beautiful is she?は何を問う?
まとめ
第4章 教員採用試験問題の英語
はじめに
1 教員採用試験問題から(1)
2 教員採用試験問題から(2)
3 in agesの可能性
4 high estimation
5 inquireのとる構文
まとめ
第5章 英和辞典のここがおかしい
はじめに
1 Young as I amのasは何か?
2 日本語独特の受け身とhave
3 argueの「...であることを示す」の意味?
4 attain the summit of a mountain(山の頂上に到達する)?
5 古い成句
have a game with him(彼をだます)/pass a person's understandingは「理解を超える」?/How goes the enemy?(いま何時?)
まとめ
第6章 教室英語の改善のために
はじめに
1 教室英語を全面的に見直す
副教材や市販の参考書,問題集の総点検/信頼のおける学習英文法書を/学習文法の構築のために/成句の重視
2 教員にもっと多様な研修の機会を
教授法以外にも学ぶことが/英語の変化の実態を知る/発音練習の重要性/リーディングの重要性
まとめ
あとがき
引用文献
索引