コーパスからわかる言語変化・変異と言語理論3
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編著者:
小川芳樹 中山俊秀 (編)
ISBNコード:
978-4-7589-2377-4
発売日:
2022年12月9日
定価:
7,920円(税込)(A5・464頁) |
内容
理論言語学が自然言語の統語・意味・形態・音韻の基本的な性質を明らかにしてきた今、言語学者の関心の主軸は、言語間のミクロな変異や同一言語の漸進的な変化の記述と、その原因の探求へと移り始めており、生物学者も、生物進化と言語変化の相同性に着目し始めている。本書は、30人の研究者が、最新の言語理論とコーパスや統計などのツールを使って、言語の変化・変異・獲得・進化の様相の記述と本質の探究を目指す論文集である。
第1巻はこちら『コーパスからわかる言語変化・変異と言語理論』
第2巻はこちら『コーパスからわかる言語変化・変異と言語理論2』
目次
変化・変異・進化の事実に向き合う種々の言語理論 ―必要なのは対立か、対話か、連携か―
小川芳樹・中山俊秀
Part I 認知言語学・構文文法・用法基盤モデル
後期近代英語期におけるcramとpackを含む構文の所格交替について
石崎保明
シンガポール英語における時空間メタファー ―言語接触学と継承言語学の接点―
佐藤陽介
北琉球沖縄語今帰仁謝名方言における2種類の「私たち」と除括性(clusivity)
下地理則
フランス語のnoirとblancの通時的意味ネットワークの構築
新谷真由
動詞thinkの疑似他動詞用法の拡がり ―談話・語用論的機能からの考察―
鈴木 亨
アメリカ英語における間接行為指示文の使用の変遷 ―COHAからわかること―
高橋英光
子どもの発話における前置詞の響鳴率の異なり
堀内ふみ野
否定要素の脱落と構文化
前田 満
直示的移動動詞の文法的構文化 ―日本語と中国語の比較の視点から―
扆 林亚・小川芳樹
Part II 生成文法・分散形態論・史的統語論
日韓語の適用形について ―補助動詞ヤルとcwu-taを中心に―
青柳 宏
移動を表す複合動詞「V+込む」における無他動性と助動詞化
秋本隆之
英語史における後置属格の出現と発達について
茨木正志郎
形式名詞の文法化と連濁 ―統語部門での編入による語形成の視点から―
小川芳樹
語彙化に関する主節・関係節の非対称性と世代間差の考察 ―「[名詞](が)ない」を例に―
小川芳樹・新国佳佑・和田裕一
標準日抹言におけるノ格主語の構造位置について
岸本秀樹・森山倭成
日本語における右方周縁部の獲得 ―自然発話分析に基づく予備的研究―
杉崎鉱司・小川芳樹
英語史における多重主語構文の出現と消失
田中智之
英語における動詞と副詞の語順の変化
時崎久夫
縮みゆく関係節 ―英語接触節の出現に関する通時的考察―
縄田裕幸
日本語における相対的最小性の欠如について
前田雅子
幼児の言語獲得から生成文法理論へ
村杉恵子
英語の否定呼応文における否定主語の分布について
柳 朋宏
Part III 音韻論・社会言語学・歴史言語学
音変化における通時と共時の接点、及び現代日本語の韻律特徴の変化に関する実証的検討
佐野真一郎
変調の通時変化と音韻特性 ―上海語の事例より―
髙橋康徳
コピュラの出現・非出現における言語変化について
南部智史
エジプト語史におけるコプト語サイード方言の名詞化接頭辞pet-
宮川 創
Part IV 進化言語学
併合の漸進進化を巡る考察
藤田耕司