統語構造と語彙の多角的研究
― 岸本秀樹教授還暦記念論文集 ―
編著者:
于 一楽 江口清子 木戸康人 眞野美穂 (編)
ISBNコード:
978-4-7589-2283-8
発売日:
2020年3月26日
定価:
6,160円(税込)(A5・384頁) |
内容
本書は、神戸大学岸本秀樹教授の還暦を記念して編纂された論文集である。第一線で活躍する研究者や教え子による文構造と語彙の意味に関する最新の研究を多数収録し、理論研究から記述研究まで、多角的な視座からの論考を集めた一冊となっている。対象言語は日本語、英語、中国語、ハンガリー語、インド諸語など多岐にわたり、扱う言語現象も幅広い。最先端の知見や定石にとらわれない斬新な着想で言語研究の新たな扉を開く。
目次
序 論
統語と語彙の研究の視点
岸本秀樹
第1部 文構造とその周辺
[特別寄稿]
Nominalization and Argument Structure: Evidence for the Dual-Base Analysis of Ditransitive Constructions in Japanese
Shigeru Miyagawa
ハンガリー語動詞接頭辞の機能
江口清子
日本語数詞類別詞構文の統語論と意味論
前田晃寿
日本語同格名詞句に見る意味的階層と統語構造についての一考察
眞野美穂
On the Licensing of Subject-Oriented Adverbs in Japanese
Kaori Miura
Benefaction & Malefaction: Two-In-One ―A Subtle Interplay of "Volitionality" & "Transitivity" in Indic Languages―
Prashant Pardeshi
中国語の結果を表す連動詞の様態について
芝垣亮介
感嘆文の統語論
田中秀和
日本語のカラ格主語再考
山口貴也
「Pかもしれない」における「も」「か」と前提の投射について
山森良枝
第2部 語彙の意味とその周辺
開始を表す複雑述語と複合動詞 ―「V-て来る」「V-出す」「V-始める」の対照―
日高俊夫
Acquisition of Verb-Verb Compounds in Child English and Japanese: An Empirical Study Using CHILDES
Yasuhito Kido
The Proper Treatment of the Unaccusative Hypothesis: Split Intransitivity Revisited
Kazuya Kudo
Aspectual Interpretation of -Te Kuru as a Result of Modal Slide
Kentaro Nakatani
語義の調和と不調和
小野尚之
副詞「あくまで(も)」の意味・用法の変遷
朴 秀娟
相対名詞が導く関数節の主要部の外在・内在・潜在と関連性条件
佐野まさき(真樹)
ナソウとナサソウの使用実態の計量的調査
竹村亜紀子・Thomas Pellard
On the Wordhood of Japanese Complex Predicates
Saeko Urushibara
ナル述語における項の選択とクオリア構造
于 一楽
日本語の複合における事象から属性へのシフト ―「X+動詞連用形」型複合名詞を中心に―
由本陽子