ことばから心へ
― 認知の深淵 ―
![]() |
![]() |
![]() |
編著者:
米倉よう子 山本 修 浅井良策 (編)
ISBNコード:
978-4-7589-2282-1
発売日:
2020年3月26日
定価:
7,040円(税込)(A5・448頁) |
内容
本書は、認知言語学を理論的枠組みとして用いながら言語のさまざまな側面に光を当ててきた吉村公宏教授の奈良教育大学退職を記念し、編まれた論文集である。総勢38名の寄稿者による36本の論考が収録されている。その内容は言語類型論、構文文法、メタファー・メトニミー、言語習得、言語発達、言語教育等、多岐にわたる。最新の研究成果の提示により、言語研究のあり方やその深淵を知ることができる格好の一冊となっている。
目次
特別寄稿
〈証拠性〉標識としての『万葉集』における終止形接続の「見ゆ」
池上嘉彦
視線のダイナミックスと文学表現における描写の諸相
山梨正明
I. メディア・コーパス・コミュニケーション
ツイッターデータに基づく意味研究 ―社会的側面から―
木山直毅
The There Comes Construction and the Spatiotemporal Metaphor
Mino Takashi
試合中に戦術を決める選手間コミュニケーションの対照研究
八木橋宏勇
II. メタファー・メトニミー
Metaphor in Gesture: A Brief Survey in Conceptual Metaphor Theory (CMT) and Systemic-Functional Multimodal Discourse Analysis (SF-MDA)
Thomas Amundrud
Movers in Spatiotemporal Metaphors: An Investigation in Japanese
Kohei Suzuki
身体部位詞の比喩的用法にみられる身体経験と仮想性
谷口一美
Understanding Anti-Proverbs in English: A Relevance-Theoretic Account
Isao Higashimori
名詞転換動詞の生成と意味的拡張の可能性
吉岡 努
日本語名詞化表現の意味とメトニミー
山添秀剛
III. 中国語表現・中国語構文・日中比較
文末における「もう」の振る舞い
汪聞君・西村英希
名詞のカテゴリー転換に関する日本語と中国語の対照 ―言語類型論と認知・機能言語学の観点から―
堀江薫・張雨
現代中国語の形状類別詞「条」「根」「道」に関する研究
劉 驫
中国語文法における「中間構文」に関する再考
劉 洋
IV. 日本語表現・日本語構文
状態・性質を表す「する」構文の意味的基盤
大神雄一郎
待遇表現としての尊大語と卑罵語
角岡賢一
主要部内在型関係節の名詞化度をめぐって
野村益寛
仕事の意味論 ―「時間の地図」を作成する―
仲本康一郎
A Constructional Approach to Borrowed Bound Morphemes in Japanese: With an Emphasis on Cultural Frames
Nathan J. Hamlitsch
百科事典的意味における捉え方
籾山洋介
認知命名論の試み ―表示性・表現性と命名認知モデル―
森 雄一
V. 英語表現・英語構文
結果句to sleep とawakeについて
浅井良策
フレーム意味観から捉える英語中間構文の非明示項
板垣浩正
アメリカ英語におけるGeneral Extendersの談話標識化・文法化
小野寺典子
the other way (a)roundの明示的伝達内容とその解釈プロセス
黒川尚彦
構文的家族体のカテゴリー形成における境界線上の成員の特性について ―英語の使役有生構文・無生物主語構文・セッティング主語構文の事例―
對馬康博
認知意味論と認知文法の意味論:スキーマ/プロトタイプと「捉え方」(construal)
中村芳久
過去分詞由来の懸垂分詞が見せる変遷:構文化の観点から
早瀬尚子
条件文帰結節に現れるBe Going Toについて
本多 啓
2種類の叙述属格文について
山本 修
VI. 言語教育・言語発達・言語史
英語と日本語の色彩語の意味:通時的推移を踏まえた共時的語彙体系の研究
大月 実
事態認知と授与事象についての一考察:英語教育との接点
児玉一宏
〈文字通りでない意味〉の観点から見た物語読解と対人コミュニケーション
菅井三実
ことばとうごきで響き合い、つながる:人どうしのインタラクションの始まりとその発展の解明に向けて
深田 智
外国語教育における言語学の有益性
米倉よう子