否定と言語理論
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編著者:
加藤泰彦 吉村あき子 今仁生美 (編)
ISBNコード:
978-4-7589-2152-7
発売日:
2010年6月18日
定価:
7,040円(税込)(A5・496頁) |
内容
否定とその関連現象は人間の言語と認知に深く関わり、それらの構造と機能およびそのインターフェイスの解明に不可欠な基礎をなす。本書では現代言語学の観点から統語論・意味論・語用論・史的研究における最新の研究成果を提供する。それぞれの領域における論考は、トピックとアプローチの両面において多彩である。広範な領域からの知見をもとに、否定の全体像を明らかにし、さまざまな研究領域やアプローチの相互理解と将来の発展の可能性を探る。
目次
序
第 I 部 統語論
否定と統語論 加藤泰彦
否定辞移動と否定の作用域 岸本秀樹
文否定と否定素性移動 西岡宣明
両極性表現 渡辺 明
否定一致表現の構成要素と認可の方略 久野正和
否定極性と統語的条件 片岡喜代子
否定構造と歴史的変化―主要部と否定極性表現を中心に― ジョン・ホイットマン
日本語否定文と文法化―シカ類の変化と変異を中心に― 宮地朝子
室町時代における否定推量・否定意志の表現 小林賢次
初期近代英語における否定構文―Lampeter Corpusの調査から― 家入葉子
第 II 部 意味論
否定と意味論 今仁生美
数詞とりたての「も」と否定 中西公子
「しか」の意味特性と否定 小淵-Philip 麻菜
現代日本語の否定とアスペクト・テンス 工藤真由美
第 III 部 語用論
否定と語用論 吉村あき子
否定極性への機能論的アプローチ 高見健一
談話分析から見た否定:談話機能を探る 山田政通
新グライス学派語用論からみた否定の諸問題―否定的な推意から否定へ― 田中廣明
否定と(間)主観性―認知文法における否定― 中村芳久
否定:対立と超越 河西良治
あとがき
索引
執筆者紹介