動的語用論の構築へ向けて 第1巻
編著者:
田中廣明 秦 かおり 吉田悦子 山口征孝 (編)
ISBNコード:
978-4-7589-1375-1
発売日:
2019年11月27日
定価:
3,960円(税込)(A5・272頁) |
内容
ことばは今この瞬間に動いており、獲得され、歴史的に変化し、ミクロ、マクロに渡って変異する。ことばはわれわれの生態系、知識や認知、さらに社会生活からどのような影響を受け動いているのか。本書は「共通基盤化」「歴史語用論」「会話分析」「類型論」「認知言語学」などの分野を横断し、理論と実証を経て、この動的な性質を解明する。本書は、新たな語用論の領域への挑戦である。
目次
序章 動的語用論の構築へ向けて
田中廣明
第I部 共通基盤化
第1章 指示解決 ―自己中心性と共通基盤化―
田中廣明
第2章 多人数インタラクション場面における共通基盤化と動的語用論 ―折り紙作成場面を事例に―
秦かおり
第3章 やりとりの不均衡性をどう調整するか ―課題達成場面における共通基盤化―
吉田悦子
第4章 指示解決の動的語用論 ―リンガ・フランカとしての英語使用における共通基盤化の事例―
山口征孝
第II部 歴史語用論・文法化
第5章 「発話頭(左の周辺部;LP)-主観的、発話末(右の周辺部;RP)-(間)主観的」仮説の再考
―動的な立場から―
小野寺典子
第6章 ガ格標示の間接受身文と「てもらう」構文の発達について
―「雨が降られると困る」「雨が降ってもらうと有難い」のような表現を中心に―
澤田 淳
第7章 句読法の歴史的変化に見る動的語用論の可能性 ―イギリス英語のfull stopを中心に―
柴崎礼士郎
第III部 理論と実証
第8章 「他者の発話を理解すること」の生態学
高梨克也
第9章 診療談話における共感のプロセス ―発話に伴う情動の認知語用論的分析―
後藤リサ
第10章 マスモードの思考 ―「びんの小鬼」をめぐる覚え書き―
定延利之
第11章 代用形の先行詞解釈をめぐって
西山佑司